平成29年大井町議会第1回定例会の報告
平成29年大井町議会第1回定例会が3月3日より17日までの会期で開催され、条例の改正9件、路線の廃止・認定1件、補正予算5件、人事1件、一般会計、特別会計5件の審査を行いました。
初日の一般質問で「大井町の子ども施策について」を質問しました。
大井町の子ども施策について
大井町は平成23年以降、人口が減少し平成27年には17,031人となっています。人口減少問題は大井町だけの問題ではなく、日本全体の問題であり、地域間においては、小さくなっていくパイの取り合いをしている状況です。
どの自治体でも人口減少問題対策は同様の事を考えています。早く実行するか、しないかの違いです。競争条件の良し悪しを批判している場合でなく、競争に参加しなくては人口流出を防ぐことはできません。
長期的に進む人口減少を食い止めることは非常に難しい問題ですが、町では現在工事中の「大井中央土地区画整理事業」により人口増を期待していますが、これは一時的なことであり、継続的に増加を望むことはできません。重要なのは、これから子供を産み・育てる世代の定住促進策を継続的に実施しなければならない事です。
子育て世代が「大井町で子育てをしたい」「大井町で子育てをして本当に良かった」と思えるような魅力ある町にしていくべきだと思います。
そこに子育て事業の重要性があります。「大井町子ども・子育て支援事業計画」のもとに、様々な支援事業が計画され、実施されています。「法律で義務付けられたから計画した」では困ります。この計画は子育て支援策の道筋を示すものになると思われます。「すべての子どもと親がのびやかに育ちあえる町づくり」を目標に進められている子ども施策に期待するものです。
今、他自治体で当初予算が発表されています。「チルドレンファーストの予算配分をした」と南足柄市長は強調しています。また、中井町でも「子育て支援で人口減克服」と最重要課題として予算を配分したとPRしています。内容的には大井町とそれほどの相違はありませんが、インパクトのあるキャッチコピーだと思います。残念ながら大井町の29年度予算の児童福祉費は前年度予算より減額されているような状況からは子育て支援に重点を置いた予算配分とは感じ取れません。
- (質問)「子ども・子育て会議」に公募委員を入れる考えはあるか。
- (答弁)学識経験者、教育関係者以外に幼稚園・保育園の保護者代表が委員となっているので新たに公募委員を採用する考えはない。
- (質問)「大井町中央土地区画整理事業」で子ども・子育て対策として何か施策はあるか。
- (答弁)公園を整備することで「子供の遊び場」「子育て中のお母さん方の憩いの場」「父親との触れ合いの場」などのほか異世代交流の場として利用していただけるよう整備している。
- (質問)町長は選挙公約で区画整理事業を完成させることで若者の定住化を進めると約束していたが、経過はどうか。
- (答弁)換地が仮換地の時点では小児科や小規模保育園の誘致などなかなか難しい。今後もっと具体的になってくればアプローチしたい。
- (質問)子ども施策は役場全体で意識しないと成功しないが。
- (答弁)町では子ども・子育て支援事業計画の中で「すべての子どもと親がのびやかに育ちあえる町づくり」を基本として各部署がそれぞれ施策を実施している。
- (質問)他市町では「チルドレンファーストの予算配分をした」等、アピールしているが、大井町は何か施策はあるか。
- (答弁)大井町でも同様な施策はやっているが、以前より「大井町はPRべた」と言われている。さらに努力をしていく必要があると感じている。
マキノの目
人口減少が進む大井町で重要なのは、これから子供を産み育てる世代の定住促進を継続的に実施していかなければならない。子育て世代が「大井町で子育てしたい」と思えるような魅力ある町にしていくべきだと考えます。他の自治体が新年度予算で「チルドレンファーストの予算配分をした」「子育て支援で人口減克服を最重要課題の予算」などPRしていますが大井町の29年度予算の児童福祉費が前年度より減額されているようでは、子育て支援に重点を置いた予算配分とは感じ取れません。
今回の定例会で注目された審議事項
1.議案第3号「特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例について」
町の提案理由は、「道水路委員」の廃止に伴い所要の改正をしたいとするもので、昨年自治会長よりアンケートを取ったところ賛成10、反対9との事で、過半数の同意が得られたと捉え、廃止の条例案を提出した。
道水路委員は行政委員の一つで非常勤の特別職職員。町は自治会単位で一人置き、道路や水路を常に良好な状態に保つための役割を担っている。
採決の結果は、賛成少数で否決されました。
反対意見 牧野一仁
町は各自治会に置いている道水路委員の役目は終わったと考え、自治会長へアンケート調査を実施し、廃止に賛成10人、反対9人との結果から廃止したいとの提案だが、各自治会における道水路委員の重要度が地域によってかなり差がある。必要としている自治会が半数近くあることから十分に理解を得られたとは思えない。反対している自治会と十分な話し合いをする必要があると思う。したがって廃止することは時期尚早と思い提案に反対する。
2.議会の議決と予算執行について
平成29年度より「容器包装プラスチック」の回収を4月より毎週実施する事を計画し予算計上しました。3月1日付発行の「広報おおい」において4月より毎週回収しますと広報し、併せて、4月からの「ごみカレンダー」を全世帯に配布し、周知を図りました。内容については分別や資源化を促進し、町民の利便性の向上につながることから評価するものと考えます。しかし、収集回数等の変更は、委託業者との新たな契約で可能となるものです。平成29年度一般会計予算を議会にて審議、議決前に事業執行を図ることは問題があると思います。
予算審査特別委員会は委員会審査報告書に次の通り付帯決議を付して報告しました。
付帯決議全文
議案第17号 平成29年度大井町一般会計予算に対する付帯決議
容器包装プラスチックの収集については、住民サービス充実の観点から既存の2週に1度から毎週実施に拡大することで予算措置がされた。
しかしながら予算成立を待たずして住民周知が先行されたことに関しては、議会の機能を無視した軽率な行為であると指摘せざるを得ない。
予算に直接言及する要求事項ではないものの、斯様な行為が再発することのなきよう強く自省と自制を求めるものである。
以上決議する。
平成29年3月15日
大井町議会予算審査特別委員会